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一農一家事八芸

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お米の収穫がほぼ終わった。

もみすり機から出て来るきらきらのお米を見ながら、深い感動がこみ上げて来る。
お米はここに至るまでにどれほどの月日と手間がかかるんだろうと。

つぶつぶのお米のひとつひとつが「野菜」のように見え、食べられる状態になるまでに
いろんな人の力や知恵や機転が込められている。
なにより、自然の大いなる母の愛情がいっぱい詰まっている。

「こめ」は「込め」でもあるのだ。

ちょうどこの田んぼを途中参加させてもらう時に「あぁこれで私も半農半芸(術)」だ!
と、何か誇らしい気分になっていたが、それは気分だけであり。

ちゃんと普通にお米を作るという事は、日々のお世話や学びや、それに地域の方々との関係など
生半可な気分では「食べる」までたどり着けない位に厳しい面もある。

それにちゃんとお世話していても台風等で一気におじゃんになるようなものでもある。

私などは日食を過ぎてから絵の制作に没頭するあまり、ほとんど田んぼには行かず、
草刈りや草取りも相棒に任せっきりだった。

それでも相棒はおおらかに自分の事だからと私の分まで働いてくれていた。
その成果が今日に至っている。

しかし私の仕事は絵を描く事である。
それを主体にして日常を組み立てている。
それを本気で取り組むという事も、生半可な気持ちではいられない。

感じた事を地主さんにぶっちゃけ話して「来年は出来ません」と伝えた。

それでもいいよ。土地を寝かせているよりも、何かやってくれるほうがいいから
あなたが出来ない事は他の誰かがやればいい。

と、これまたおおらかなお言葉をいただき,来年も田んぼをお借りする事をお願いした。

もう半農半芸なんてかっこいい事は言えません。

十分の一でも「農」に携わる事が出来れば、それがいずれは大きな割合に育って行くこともある。
その可能性を残しながら、周りの人のお世話をいただきながら、来年は既に始まった。

一農一家事八芸  くらいな割合で。
by prema-maaru | 2009-10-18 05:19