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行動




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ずいぶん前の話ですが、友達数人とあるエコ系イベントのミーティングをしていて、

そろそろ夕方だから何か作って食べようと言う事になり、

ボクと年配の主婦の方が近くのスーパーに買い出し係で行った時の事です。

その方は何を選ぶのでも日付を見て「賞味期限の迫っているもの」から選んで買っていました。

野菜や果物も古そうなものをわざわざ選ぶのでした。

ボクが「何で古いものから買うんですか?新しいのがいっぱいありますよ」と言うと、

「古いのが残っちゃったらお店の人はこれを捨てちゃうから」と言って、また選んでいます。

ボクはその行為が衝撃で、後はただカゴを持って後を付いて行くだけだったのです。

帰り道でその事を聞くと、その方は以前スーパーでパートしていた経験があり、それで内部事情に詳しい様でした。

帰って料理を皆で作りながら、一緒にいただきながら、ボクらはその件について話をしました。

「そんな事をしても一人じゃ何の効果も無いと思う」

「食品が古くて食中毒になる可能性だって有る」

「すばらしいから是非多くの人に広めよう」

「今回のイベントで提案するものイイね」

なんて様々な賛否両論が出て、夜は更けて行きました。

その方は話に加わるでも無く、ただ困ったような表情でニコニコ皆の意見を聞いていました。

そして一言こう言いました。

「騙されたと思ってやってみて下さい。気持ちが良いから」

次第にお酒が入って来たのでこの話題は終わりましたが、ボクの心にはずっとモヤモヤが残りました。

「何が気持ち良いんだろう?」

数日後にボクはスーパーに買い物に行った時に、同じ様に賞味期限が短いものを選びました。

そうしながらボクの心には、このスーパーに買い物に来る沢山の人や、ここで働く人に「触れて」いるのを感じていました。

この食品を作った人、運んだ人、並べた人、レジを打つ人、買う人。

そして、この食品を照らした太陽や雨や土や風も。

「あぁ!これを『気持ち良い』っておっしゃっていたんだ」と分かりました。

「自己犠牲」だとか「偽善」だとか「善人ぶって」とか、これはいろいろな言われ方をするでしょう。

人の気持ち次第では全くその通りかもしれません。

しかしボクは、その食品に関わる自然や、顔も名もしらぬ沢山の人に自分が関わっているのを感じていたのです。

それがとても気持ちよかったのです。

ほんの小さな事でも、ボクはやる前に「吟味したり考察する」癖が付いているのを感じました。

その次第点を超えたものは試したり試さなかったり、実に多くのきっかけを捨てて来たのが分かりました。

やる前には分からなかった事が、やると分かる事があります。

そこから始まる事もあるのだという「小さなきっかけ」のお話です。

意味は「それ」がちゃんと教えてくれるのです。








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by prema-maaru | 2011-10-16 05:10