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どこでもない時間

私の家は島のちょうど真南に位置し、比較的にぎやかで都会的(笑)な島東部に行くには骨が折れる。
この感覚は島に住んだ時点ではまったく予想しなかった距離感で、来たばっかりの頃は物珍しさもあり、一日に島を2周するほど車を走らせても何ともなかったものだ。
しかし屋久島は一周130kmもあり、ほとんど信号の無い見晴らしのいい道を時速50k超で延々1時間走らせて、やっとこさ目的地に着くという感覚に馴染んでくると、この1時間が途方もなく長く感じてくる。
景色を味わえる日中ならまだしも、街灯のほとんどない真闇の道をひたすら走るのは出来るだけ避けたいと思い始めるのにあまり時間が要らなかった。
日中と言えども1時間の運転はこの島の持っている「時間」に合わない感覚があり、どんどんおっくうになってくる。
しかも屋久島はガソリンが本土の1.5倍ほどするので、見る見るタンクの値が減ってくるのは心に悪い。
良く聞く話だが、島に移住した友だちを訪ねて来た本土の友人が、空港や船着き場に迎えに来て欲しいと当たり前のように言うんだよね!と、これは屋久島に住んだ人でなければ分からない感覚なのかも知れない。
友情よりも実感する時間感覚を優先する島時間(字余り)
やはりまだ太陽がキツくない今の季節は歩くのが一番の時間の使い方で、自転車や原付バイクなどが自動車のような「空間そのまま移動手段」よりも断然気持ち良い。
歩く事で見えてくるものや気がつくことは格段に増える。
車とは違い、歩くのは1時間でも何も惜しくなく、昨日も歩きながら島を一周歩く旅を近々やりたいな、と思った。
島の方々に散らばる友だちの家に厄介になったり、小さいテントを張ったりしながら何日かかけて屋久島を回る旅。
本格的に暑くなる前に、台風や寒さに邪魔されない時期。。。となると、今か秋に入ってからしかあるまい。
しかし私はまだ縄文杉にも行っていないので、まづは屋久島本尊であらせられる縄文杉に挨拶に伺わなくてはなるまい。
いやいや、時間はいっぱいある。
あせらずに行こう。
さっきも家のすぐソコの橋の上から破沙岳を眺めていて、図らずも涙を流してしまった。
何の感情も無く、ただ涙がながれるほど美しかった。
美しいというのは自然でも女性でも、本当に感動するものですね。
美しいものに気づいたその瞬間、自分を覆っていたウスカワがめくり上がり、自分の本性がふっと顔を見せる。
その自分のほんものの自分にどれだけ出会えるのかが、行きている目的のように感じています。
by prema-maaru | 2009-04-28 09:51