私

どこにも特別な場所は無く
約束された日時も無く
尊い人も 卑しい人も無く
善い人も 悪い人も居ない
そして特別な人も居ない
それが本当に見えた時に
私が何を話しているのかが分かるだろう
特別な土地は無く
特別な民族も居ない
高貴な人や 下衆も居ない
正義も悪も無い
愛も無く 愛で無いものも無い
それが本当に分かった時に
私が何を話しているのかが分かるだろう
表面の違いばかり見つける眼には
生命の灯が歪んで映る
生命は分けられない
名を付け名を呼ぶ事さえ出来ない
男も女も 老いも若いも無い
過去も未来も無く
他人もあそこも無い
ただ「私」だけになった時に
私が何を話しているのかが分かるだろう