春
立春のあたりから「あぁ〜もうすぐ春が来るんだ」と心がつぶやき出しました。
一昨日と昨日の雨で濡れた街路樹の木肌が活き活きと生命力を香らせています。
まだ茶色に枯れた下草のある地面の奥から、乾いてくすんだ樹の枝の先に、
なにか「ぼぉっ」としたぼんやりとした温もりを感じ、表面下で動き回る「春」を見つけるのが好きです。
ボクはこの二月という時期がとても好きです。
本当に暖かいと感じる様になるのはずっと先ですが、雪が降ったり強い風が吹いたりする二月は、
まだ見えないものをとても強く感じられる季節なのです。
見えないからこそ、本当は良く見える事があるというのが分かるからです。
屋久島に居た頃は一年中ほとんど雨だったから、済んだ青空が心にずっと映っていたし、
東京は雨が少ないから、濡れて色濃くなった樹々の表情が景色に重なって見えます。
どこに居ても「春」はやって来て、どこに居てもボクはそれを感じます。
歳を取って本当に良かったと思うのは、そんな些細な事にいちいち感動出来ると言う事。
河原で遊ぶ幼稚園児の黄色い声に、胃の辺りが「じ〜ん」と反応して喜びます。
毎日を心から味わい感動して、この歳でようやく「生まれて来て良かった」なんて思っているのです。
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by prema-maaru
| 2012-02-08 06:05