其のそのもの
マシマタケシ個展 そのもの 2016年 カフェスロー
この度はマシマタケシ個展「そのもの」にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
題名「そのもの」は約一年前、昨年の個展「nihon」が終わって直ぐに浮かんで来た言葉です。
ですから今回は作品が先行して構築されたのでは無く「そのもの」という言葉が全体の導き手でした。
考えてみればこれ以上分けられない、引けない、足せない、掛けられない
「そのもの」という意味は、言い換えれば「侘び寂び」に通じるのだと思います。
装飾を削ぎ落としそれ本来の姿をあぶり出す様な、とても日本的な美意識を帯びた言葉です。
「そのもの」とは何か?を2016年はずっと見つめて歩いて来ました。
そういう日常の中で自分自身も自分から見える世界も、以前よりは少しリアルになったように感じています。
今回は計十作品を展示しております。
いつもは八枚ですので、何かこれまでよりも密度が濃く充満感があります。
私の絵はいつもそうですが、始めはサっと流して観る。
一巡りしてから一枚一枚じっくりと観る。
気になる絵をさらにじっくり観る。
そして出来るならば、日を変えてもう一度ご覧にいらして下さい。
そういう見せ方が出来るのがカフェスローのこの場です。
この空間、この距離、お店の在り方が、私の個展そのものです。
又今回は私の絵の世界観をこの空間全部に広げる試みもあります。
26日の夜「ソノモノ」と題し、ミュージシャン3人、ダンサー一人、
キャンドル一人、映像一人のLIVEがあります。
どうぞそちらも合わせて「そのもの」をご堪能下さい。
マシマタケシ
musuhi
織りなし編み上げる
重ね潜る
入れて入る
溶けて交じる
産神
すべての生命はここに生ずる
ここに生ずるのは全ての生命